スキーブログ 2016-2017 24th, 25th, 26th Run @栂池高原スキー場(長野県)奇跡の復活、懲りない男編

Date: 3月30日、31日、4月1日

場所:栂池高原スキー場

天候:ピーカン晴れ→濃霧&曇り→濃霧&曇り

気温:Hot →Cold → Cold

雪質: ザラメ→ザラメ→乾雪(ゲレンデ上部)

積雪:340cm(頂上付近、120cm(ゲレンデ下部)

移動手段:ジムニー

移動経路:金沢東ー糸魚川栂池高原

移動時間:3時間30分

 

3月5日のたいらスキー場でレース前に転んで、膝の骨を挫傷、膝の内側半月板を損傷してからもやはりスキーのことをずっと考えていた。

 

一度はキャンセルした栂池高原スキー場での独り合宿。毎年3月末は1年間の仕事の労を自分勝手にねぎらうために、どこかに出かけているのだけど、 今年はやはりどうしてもスキーに行きたかった。

 

栂池高原は小生のスキー人生の中でとくに思い入れのあるスキー場で、中学一年のときの家族スキーや、中学卒業直後に友達数人と行った3泊卒業記念スキーなど、印象に深い。平日早朝のゴンドラに乗って誰もいない朝一番のゲレンデを一気に駆け抜ける爽快感は、高校受験直後の解放感と重なって、それはもう最高の軽快感となり僕の記憶に爽やかに焼きついている。

 

あの快感をもう一度。

 

 

そんなわけであるから、多少痛くても、快方に向かっているのは確かだ。接骨院の院長先生には怒られそうだけど、僕はやはり行くことに決めたわけでありました。

 

 

そんなわけで、、、。

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快晴の栂池高原スキー場!!やってきたよ、はるばる白馬まで!

 

 

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ひょっほーい!ホテルにはこんもりと雪がある!このホテルはゲレンデ直結なのであります!!

 

 

ゆるいホテルで、朝8時に着いた僕にさっそくチェックインさせてくれた。

 

春の陽射しが差し込む部屋で僕はレースワンピに着替え、久々の戦闘モードへ突入。しかし、ホテルの乾燥室できついブーツに左足を通す時、ツンと痛む膝に不安を抱くおいら。果たしてうまく滑れるだろうか。

 

結果としてはまあなんとか滑れたって感じで、なかなか本調子というわけには行かず。

それでも昼前一度ゴンドラに乗って山頂から下まで降りてくることはできた。

 

昼に一度ホテルに戻って、ベランダの雪で冷やしておいたビールを飲む。うーん、最高。そして僕はしばし昼寝をした。うーん、最高。

 

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スノーフリッジ。雪の冷蔵庫。定番。

 

昼寝から覚めた僕は、栂池に持ち込んだ翻訳の仕事にとりかかる。実はあるところから稚拙な僕ではありますが翻訳依頼があって、それがかなり大量で、仕上げはもうホテルでやるしかないってことで、僕は有名作家のごとくホテルに缶詰になってせっせと文化的な雪かき作業に没頭せざるをえなかったわけであります。

 

3時になって集中力も切れたあたりで、うずうず。これはもう行くしかない。

 

スキー!!

 

というわけで夕方も一時間半ほど滑って、ある課題にたどり着く。

 

俺、外足荷重ができていても、内足がまるで使えてないじゃん。内足がぐらぐら動いとるやんけ。ということにゆるい緩斜面を滑っているうちに気づいた。

 

課題は素敵。克服すべきことがあるって嬉しい。

 

部屋に戻った僕はYoutubeを見ながらまたプシュッとビールを飲む。Youtubeの内足に対する荷重についての動画をいくつか見て、これはいいなと思った練習法を記憶に留め、明日の朝、起きたら早速試してみよう。部屋で孤食を楽しんだあと、僕は早々に眠りについた。

 

 

そして次の朝、僕はあの中学卒業記念スキーの爽快感を再現すべく、朝一のゴンドラに並ぶ。順位は4位!4番目にゴンドラに乗り込んだ僕は、自分にこう突っ込んでいた。

 

「レースの順位は遅いのに、ゴンドラに並ぶのだけは早いんだね!」

 

自笑しつつ山頂にたどり着くが、視界が最悪。これは卒業記念スキーの再現どころではない。

 

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一本コースを滑ってみたが、視界15メートルくらいか、まったく見えない。怖い。

 

それで僕は高度を少し下げて、下山を開始。急斜面で無理なターンをするとやはり膝が痛いので、どうしたもんかなあと迷いつつたどり着いたのは、くそでかい緩斜面で有名な「鐘の鳴る丘ゲレンデ」。

 

素敵なネーミングだ。僕はそのゲレンデ上部にあるリフトが気に入って、そこで昨日見つけた内足荷重克服法を試すことにした。

 

ゲレンデは誰もいない。貸切度100%!

 

うーん、最高!

 

試した練習法は、内足方向におへそを向けて滑るだけなんだけど、これが効く。

今まで谷側に内倒することに怯えていて、外足に頼りまくっていた。でもそれでは体の100%の能力の半分しか使っていないことになる。内足を使わない手はない。

 

ある程度スピードを出して内足に50%ほど荷重すると、ターンのねじれが強まりグリップが効く。体はかなり斜面に傾くが、これがあの理想とするGS選手たちのターンなんだなという実感がある。

 

スキーをやっているとこれはおそらく物理学なんだなと思うことがあるが、外に向かう遠心力とそれに対抗して斜面に向かって傾く体の重力が釣り合いを保つとき、最高のターンになっているのではないか。憶測ではあるが。

この最高の一瞬を求めて変態スキーヤーたちは日々淡々と虎視眈々、究極の滑りを狙っているのではなかろうか。

 

遠心力と重力のその真ん中。

 

僕はその真ん中目指して何百回とターンを繰り返す。うまく行く時もあれば下手くそなときもある。このうまく行く時の回数、頻度が上がるまでどうしてもやめられない。

 

そんなこんなでお昼前になった。僕はまたホテルまでスキーで戻って、カップラーメンを部屋で食べて、昼寝をする。そして起きたらまた翻訳だ。

 

翻訳は夕方まで続いた。しびれた足で立ち上がり、窓の外を見ると3月31日だというのに雪が降っている!!!

 

感動する小生。春なんてこなくていいぜ。

 

それでもやってくる春。それでもやってくる別れ。

 

しこたま部屋で独り飲みした僕は、明日はもう滑らずに帰ろうと決心して眠りについた。(膝がまあまあ痛かった)

 

しかし、3日目、起きてみると膝が痛くない。これはもうね、こうなりますね。

 

 

 

スキー!!!

 

 

というわけで3日目も懲りずに朝一ゴンドラに乗って山頂に向かったわけでありますが、この日も山頂付近は濃霧。しかたなく下山してくると、途中標高がやや下がったところからは濃霧が消えていて、しかも乾いた雪が積もった後の圧雪になっていたので、ゲレンデコンディションは最高!

 

爽快にゲレンデを駆け抜けている時の僕は、あの日の僕となんら変わりなかった。僕は少年だった。(自分で言うなよ)

 

 

今回の栂池スキー合宿で課題を見つけ課題に挑戦し、少しうまくいったので、これを今後に繋げていける。その連鎖の流れの中でもっとスキーが上手になるのだろう。まだまだ僕はスキーをやめられそうにない。

 

そんな気持ちで金沢に帰ってきた。

 

 

こんな僕の独り合宿を快諾してくれた奥さんよ、ありがとう!心から感謝しております。

 

 

 

 

それでは写真ダイジェスト!

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栂池は広い、長い。適度な中斜面が続く!

 

 

 

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淡い夕日に染まるゲレンデを散歩。これがしたかった。

 

 

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素泊まりのホテル。部屋で独りご飯はジャンク祭りですぐに胃もたれ。

 

 

 

 

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朝のゲレンデを散歩。霧のかかる山々が幻想的。(これもしたかった)

 

 

 

以上、懲りない男は異例の4月9日まで営業を決めた座禅スキー場たいらへ次回向かうわけでありました。

 

またね! 

 

 

スキーブログ 2016-2017 23rd Run たいら大回転@たいらスキー場 最終回編

日にち:3月5日

場所:たいらスキー場(富山県南砺市

大会名:たいら大回転

天候:晴れ

気温:3度

ゲレンデコンディション:ハード&ソフト

雪質:乾雪

レース結果:1:17:04秒(トップとの差約15秒)

      33走者中23位(男子中学生〜成年の部)

 

マスターズで培った経験を詰め込んで、春の訪れを感じる3月5日の早朝、僕はたいらスキー場へと向かった。昨日からやんわりと緊張していたが、当日その緊張は気温の低い朝のスキー場の雪面のように硬く引き締まっていた。

 

ギターの弾き語りライブを何度かやったことがあるけど、出演前はいつも、「どうしてこんなに緊張することを自分はあえてやるのだろうか、どうせなら逃げ出してしまいたい」と何度も思ったものだが、スキーの大会もまったく同じ気持ちになる。

「どうしてこんな硬い急斜面を人に見られながら滑る必要があるんだろうか?たいして上手くもないのに」

 

そんな自問を続けながらスキー場に向かっているときの景色が僕の緊張をしばし和らげてくれる。まるで春の日差しが硬い雪面を溶かすように。(この比喩もういいか)

 

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そしてたどり着いたよ、たいら大回転会場!

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想像したよりもすごいちゃんとしてる大会だ。いつものマスターズの草レースぽい雰囲気がまるでない。大会のパンフレットまでもらって、そこには僕の名前が印刷されている。

55  井上勉 石川県金沢市

 

ビブNo.55 おっしゃ、松井秀喜や!とくだらない験担ぎをしつつ、ウォームアップを開始。ゲレンデはすでに本日参加のレーサーがびゅんびゅん飛ばしながら体を温めている。それにしてもみんな上手やのお。小学生も中学生も地元の子供達はみんな速い。僕も負けじと。

 

これがよくなかった。

 

インスペクションを終え、かなりの急斜面にポールが立っているのを確認して、これは速度に慣れておいた方がいいなと思った僕は、開会式が始まる間際に一本急斜面のゲレンデをかなりの高速で滑り降りていき、そのままクローチングのスタイルで開会式のところまで行こうとした。

 

そのとき、なぜかバランスを崩した。そのとき、なぜか転んでしまった。ものすごい勢いで。そしてかなりの人がそれを見ていた。

 

そのとき左ひざを硬い雪面に強打して、「ああ痛い!」と思った。そのまま10メートルくらいくるくる回転しながら雪面を転がり落ちていった。

 

僕はいつものように「なんでもないっす」的な雰囲気を醸しながら立ち上がるが、なんかヒザが痛い。でもなんか痛いくらいだな。うん、大丈夫だ。そう自分に言い聞かせながら開会式に参加するが、ヒザが気になる。

 

開会式後、2本滑ってみてどうにかなりそうだったのでそのままスタート地点へ。

 

点呼があり、次々と選手がスタートしていく。僕は念入りにストレッチをし、たまにヒザに激痛が走るが、もうこうなったら出るしかないべ!!

 

ということであっさりと僕の出番が。最初の急斜面があまりに急すぎて、しかもアイスバーン。すごい下に落とされるのを踏ん張ったとき、またヒザに激痛が!

 

「ウォオオオオ!イテェエエエエ!」という顔をしながら滑っているときに、旗門員をしている人と目が合った。

 

激痛の急斜面が終わると、次の中斜面までをつなぐ緩斜面。僕は激痛から逃れられて一安心しつつクローチングを組み、泳ぐようにポールを通過。このあたりは雪も柔らかく、ターンもしやすかった。そのまま中斜面に入り、ゴールが視界に飛び込んでくる。最後はもう必死にターンして案外曲がり切れるので「おお、おお」と楽しみつつ残りの3旗門でクローチングして、ようやくフィニッシュを迎えることができた。

 

電光掲示板を見ると、1:17:04秒。速い選手はだいたい1:05秒前後なので、かなり遅いタイムだったけど、何よりも完走したことが偉い!しかも相手のほとんどは未来を背負った若者たちだ。僕は41歳の駆け出しひよっこレーサーだ。これでいいのだ。

 

後日、大会の結果をホームページで確認すると、33番中の23位。これだけでも嬉しいってもんだ。なぜって?

 

 

骨折してこの結果だからさ!(涙)

 

 

ということで、翌日病院に行き、MRIを撮ってもらった結果、ヒザに無数のヒビが入っていることが判明。ヒザの2箇所にヒビが入り、左ヒザ右側の半月板が真っ黒に映っているとのこと。翌日スポーツ外科を受診しろという指令を受け、松葉杖で帰ってきた。

 

これで俺のシーズンも終わったなあ。

 

と思ったけれど、あまり後悔の念はなかった。

 

今シーズン、無我夢中でスキーにのめり込み、実のところ理想の滑りがかなりできるようになった実感があった。もちろんポールに入ると全然ダメだけど、それはまた次の課題であり、今シーズンの目標はすでに達成できたように思えたので、これが今回の潮時なんだろう、僕は3月末に行く予定だった栂池高原スキー場のホテルの予約4泊5日をいさぎよくキャンセルした。

 

でも、、

 

僕は毎日のようにこのホテルのホームページを閲覧し、早朝ゴンドラに乗って誰もいないゲレンデを頂上から下までノンストップで滑り降りるイメージをし、キャンプ道具を持ち込んで挽いた豆でコーヒを淹れよう、ゲレンデに向かって椅子を出そう、夕焼けの中、ゲレンデをハイキングしよう、などど沢山の夢を見ていた。

 

その夢が一回転んだだけで水の泡のように消えていった。

 

スキーってなんだかすごいスポーツだと思う。怪我とつねに隣り合わせている。でもそのかわり、雪の上をすべる快感は何にも代えがたい価値がある。

 

だから骨折したくらいではやめられない。

 

今シーズンはもうこれで終わりだけど、また来シーズンからその先ずっとじいちゃんになるまでシーズンは続く。僕はずっとスキーをやっていきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上をもちまして、スキーブログ2016〜2017をいったん終了します。

読んでくれたみなさん、本当にありがとう。

 

また来シーズンもたくさんの雪が降りますように。

 

 

 

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あこがれのレースワンピを着て(3/3, 2017 @白峰アルペン競技場)

 

スキーブログ 2016-2017 21st and 22nd Run 涙の卒業式 マスターズ最終戦編 @白峰アルペン競技場

21st Run 2月28日 @白峰アルペン競技場(コソ練)

22nd Run 3月3日 @白峰アルペン競技場(試合)

天候:雪のち晴れ

ゲレンデコンディション:大荒れ

雪質:シャバ・ベタ雪

気温:1〜3度

試合結果:1本目 42:38秒(トップとの差3:73秒)

     2本目42:63秒(トップとの差4:48秒)

 

3月3日。ついにマスターズの最終戦。スキーを今シーズンから再開してその間夢中にやってきて、あっと言う間だった。まだシーズンは終わっていないけど、白峰に来るのも今日が最後だ。白峰アルペン競技場も次の日曜日をもって今シーズンの営業を終える。

 

結果から言うと、タイムは理想には届かず、トップとの差はだいたい3秒くらいだった。今日は最後に気持ち良く30秒台を叩き出したかったけれど、コースは荒れに荒れて、最後から2番目の滑走順である僕が滑る頃、コースはえぐれにえぐれてほとんどモーグルのコブ状態だった。

 

それでも前半はバタツキながらも結構飛ばせたのではなかろうか。問題は最後の4旗門。ライン取りができていない、振られて大回り、後傾になってかっこう悪い。それがおそらくタイムロスとなったに違いない。コース後半の振り気味のポールで大回りしてしまうのが大きな課題として残ってしまった。どうやって克服すればいいん?

 

むむむ。

 

レースを終えたあとも、この「むむむ」が頭をぐるぐると巡っていた。そして今もそれは頭の中を巡っている。むむむ。

 

でも、そんなむむむは置いておいてさ。

 

最後の滑りを終えてゲレンデを後にしようとすると、いつもリフト券売り場にいるおばちゃんが最高に輝く笑顔で手を振ってくれた。そして、振り向くと、いつもリフト乗り場の係をしてくれていたお兄さんも眩しいくらいの笑顔で僕を見送ってくれた。

 

その光景に出会えただけでも白峰に通って本当に良かったと思える。

思い出すたびに涙が出てきそうになる。

 

冬は僕にいろんなことを教えてくれた。これから春が来る。どんな1年を過ごそうか。また来年、もっと強くなって白峰に戻ってくるぜ。本当にありがとう。白峰さんよ。

 

また会う日までさようなら、白峰さん!

 

というわけで、むむむな頭で今度は富山県の大会、「たいら大回転」に参加してきやす!

 

がんばれ俺!

 

 

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今シーズン最後の振り返り様の白峰アルペン競技場。ありがとうございました!

 

 

 

スキーブログ 2016-2017 20th Run 滑走日数20日突破記念 @たいらスキー場(富山)

日にち:2月26日

天候:晴れ

ゲレンデコンディション:良

雪質:乾雪

移動手段:フィット

所要時間:50分

リフト待ち時間:0秒

積雪:十分

 

春の訪れを空気の中に感じるようになりました。春はさよならの季節です。

冬が終わろうとしていて、僕はとてつもなく切ないんです。Facebookでフォローしているタカンボスキー場がクローズを3月12日と発表していて、それはまるで卒業してしまう先輩を見送るような気分なんです。

 

でもまだまだ僕のスキーへの情熱は止まりません!

 

今のところ3月はマスターズ最終戦を含めて5つの大会へエントリーしております。マスターズの最終戦を終えた後は完全なるアウェイ戦、たいら・牛岳・極楽坂・GALAと他県の試合にお邪魔するわけです。うげー、緊張しそう!!

 

というわけでまだまだ練習がしたい僕は競技志向の強いスキー場、たいら(座禅)スキー場へ日曜日の早朝にひとり向かったわけでありました。

 

リフト運行前に到着したにもかかわらず、スキー場の駐車場にはすでに5、6台の物好きが集結しておりました。そしてほとんどがお一人様のおじさんでありまして、好き者やのおと呟きながら、いそいそと準備を始める41歳の僕もまた、好き者のヤングなおじさんなわけであります。

 

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誰もいないリフト運行前のゲレンデ。

 

 

 

前回の一里野温泉スキー場での練習がいまいちだったので、今回はリフト始発からノリノリで練習開始。人もまばらなので限界まで飛ばしてのターンを次々に決めて、速度に対する恐怖心を克服するのには持ってこいのコンディションでした。

 

Snowyというスキーアプリを使うと、最高速度やリフトに何回乗ったかを計測してくれて、この日は80キロあたりを行ったり来たり。このくらいの速度で試合ができれば入賞できるかもしれない。

 

でもそれはフリー滑走の話。実際はポールに振られてぐわんぐわんとターンをするはめになるだろう。もっとポール練習がしたいところだけれど、無所属の僕にはなかなか厳しい。この際、どこかのチームに入ろうかしら、なんて考えたりもします。

 

 

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こんな感じで最高速度が表示される。81.7キロ!

 

この日は天気にも恵まれて、山頂から見える白く輝く山並みにしばし見入ったりしながら、練習すること3時間。来週の日曜日に行なわれるたいらCupのコース下見もかねて目標は達成。非常に良い滑りができた。課題が減りつつあり、残すはポールだよなあ、やっぱりという感想を持って下山を開始。

 

 

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山頂からの眺め。美しい!

 

 

ところで、この日は基礎スキーの団体が来ていて、彼らの華麗なる滑りを拝見しながら、基礎スキーヤーを大学の音楽サークルに例えるならば、ジャズ研に違いないと思った。ならば競技スキーは正統派ロック部で、モーグルプログレ変態系サークル。バックカントリーはレゲエ好きの集まる煙くさいサークルだ。いろんなスキーのスタイルがあって、性格によってやるスタイルが異なるのが面白い。

 

最近は山にいることが多いので、現代的な諸々の問題がどぎつい色をつけてどぎつく僕に迫ってくる。結構田舎な金沢でさえ、僕には結構しんどいのである。がんばれ、おれ。がんばれ、日本。がんばれ世界。がんばれ地球。

 

しっとりと終わり。

 

次回はマスターズ最終戦!!

 

 

スキーブログ 2016-2017 19th Run @一里野温泉スキー場 ダイジェスト編

日にち:2月22日

場所:一里野温泉スキー場(石川)

天候:快晴

ゲレンデコンディション:並→荒

雪質:乾雪→非常に重い雪

移動手段:ジムニー

所要時間:1時間30分

積雪:十分

 

今日はダイジェストでお送りします!

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前回は強風のため動いていなかったゴンドラ。眺めはなかなかの見応え。

 

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ほとんど誰もいないゲレンデ。水曜日のお昼どき。

 

 

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山頂ロッジの脇でしばし雪の上に寝転んでみた。気分は最高。

 

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セルフィ〜。

 

この日の滑りは、練習なのかレジャーなのか判然としなかった。

ここのスキー場のゲレンデは接続に林道が多いので、レーサー志向のスキーヤーは練習しにくいのかもなと、元気になった肩で滑ってみて思った次第でございます。

 

練習の収穫と言えるものもなく、来た山道を引き返すおいら。

 

座禅スキーでおなじみのたいらスキー場へとても行きたくなった。

ということで次回、記念すべき20th Runはたいらスキー場でひたすら練習するんだもん。

 

See you!!

 

 

 

 

スキーブログ 2016-2017 16, 17 & 18th Run @白峰アルペン競技場  ついに!トップ差3秒達成か!?編

日にち: 2月13日、16日、17日

場所:白峰アルペン競技場

天候:雪(13日)、晴れ(16日)、土砂降りの雨(17日)

積雪:十分

雪質:良

コースコンディション:良

移動:ジムニーとフィット

所要時間:1時間30分

マスターズ第5戦:不参加

マスターズ第6戦:1本目 40:00秒(トップとの差 3秒03)

         2本目 40:64秒(トップとの差2秒56)

      

 

1シーズンの滑走日数の目標を最低20日、理想30日と設定しております。Yahooの知恵袋の滑走日数をテーマにした質問に答えている方々は1シーズン15日〜40日と開きはあるものの、スキー好きは好き者と見えて、最低でも15日は行くんだから、これはもう頭の中はスキーのことで一杯に違いない。

 

かく言う僕もそうである。今のところ滑走日数は18日目に突入している。理想の30日まであと12回滑りに行かなければいけない。富山の大会に3つお邪魔して、白峰のマスターズがあと1回なので、それで4回。大会のための練習が6回。よって10回は確保できているので、30日滑走も夢じゃない。

 

べんくん、お金あるねえ〜

 

と思っている方もおられるかもしれない。しかし、、、

 

お金はありません!

 

白峰のシーズン券は内緒にしたいくらい格安だし、近場のスキー場では半日券で済ますし、リフト券購入のために、お昼ご飯はすべて自炊か、実家を襲撃するという荒技を使っているので、小生、実のところ、昼ご飯代を浮かせた分でスキーに励んでいる涙ぐましい倹約家なのでありました。

 

そして、こないだ買ったレーシング・スーツはなんと10回払い。借金はしない主義だけど、今回だけは特別!ということで懐に優しい分割払いをポチポチしたのです。

 

そんな努力の甲斐あって、ついにマスターズの試合でトップと3秒まで詰め寄ることができました!おめでとう、おれ!!!

 

2秒を金で買ったと人は言う。

 

しかし、そうではないのだと僕は言う。

 

たしかにレーシング・スーツを着て滑るとスピードを感じる。おそらく空気抵抗が減ってかなり加速するようになったのだと思う。

 

でもそれだけじゃないのが事実なんだよぉ!聞いておくれよぉ!

 

はい。というわけで僕がどうしてこんなにも “飛躍的に!”トップに詰めよることができたのかというと、(自分で言っていて恥ずかしい)、マスターズを通していろんな人と知り合いになって、彼らはみんなスキーに対する情熱が半端なくて、同時に僕の情熱も彼らに負けてなくて、そんな情熱の渦がマスターズにはありまして、第6戦前日の練習会にコーチ役で来ていたすんごい速いお方に出会えたことが僕の滑りを一変させてしまったわけであります。

 

そのすんごい速いコーチのアドバイスが、「とにかく力を抜け」ということだった。

 

その言葉を聞くまで僕はとにかく踏ん張ってターンすることが正解だと思い込んでいた。そのせいでポール中はずっと力んでしまっていてフォームはカチコチ。顔はまるで戦場の兵士のごとく。

 

しかし、コーチは、「力を入れれば入れるほど速度は落ちる」と言った。

「力まなくてもスキーは曲がるんだよ」

 

2本目のポールに入って、僕は言われた通りに力を抜いて滑ってみた。タコくらい力を抜いて。すると今まで曲がりきれなかった振り気味のポールに簡単にアプローチできる。減速もなし。そして、力を抜いて滑っているとポールをくぐるのが何と楽しいことか!

 

そうか、そうだよ、僕は今まで勘違いしていた。ポールは自由な滑りを奪う足かせみたいなもので、僕はまるでポールの権力と戦うかのように滑っていたんだ。

 

しかし、力を抜いたタコ滑りを始めた瞬間、ポールは僕と一緒に踊ってくれる妖精となったのだった。「こっちへおいで、いっしょに踊ろうよ」とポールが歌っていた。

 

その滑りのなんと楽しいことか。(リピート)

 

実際すんごいコーチがコースに入ってポールを滑り抜けて行くのをリフトから見ていると、コーチの体からは喜びのオーラが溢れ出している。そして速い。ふふふんと、鼻歌さえ聞こえてきそうだった。ポールの妖精が踊っていた。

 

昔、バンドをやっていた時も同じことがあったなと思い出した。緊張して力んでいるとギターの音色は伸びなかった。あげくにはギターの弦が切れることもあった。

しかし、リラックスして音のうずに身を任せてギターを弾いていると、僕はそこにあるあらゆるものと一体になることができた。まるで海を泳いでいるような心地よさだ。

 

ふと気づくとすんごいコーチとペアリフトに一緒に乗っていた。

「いい滑りをしている時って海を泳いでいる魚のような気分さ」

 

たしかにすんごいコーチは僕にそう言ったのだった。

 

その後、すんごいコーチは僕の左膝が内倒していることを指摘し、そのままでは膝を入れたときに力が外側に分散してしまうよと言われた。

 

僕の左足は実際、同級生がやっているよつば接骨院で診断された通り、超扁平足で骨盤も歪んでいるのだった。矯正用のソールを勧められたが金がないと断ってしまっていたのだけど、ああ、やはり体の歪みがこうやって形になって現れるのね。うーん、なんとかせねばならん。頼んだよ、山田君(同級生)。

 

すんごいコーチはブーツの内側に何かものを挟んで膝が外向きになる即席の工夫を教えてくれて、その結果左足の加重が格段としやすくなり、僕はこのすんごいコーチに出会えたことにまじめに感動していた。

 

今週の月曜日に練習したときあたりから、左ひざが痛くて火曜日にあった第5戦は欠席。ランナーズニーで過度な運動ですぐに左ひざを痛めてしまう。これも左足の扁平足が原因なんだと思う。

 

第6戦は土砂降りの雨でコンディションは最悪。左ひざもひどく痛い。こんな状況だが、僕は前日のすんごいコーチから学んだことをスタート直前に思い出していた。

 

「心配することはないさ。楽しめばいいんだから」

 

 

次回のマスターズはいよいよ最終戦!目指せ初の30秒台!です。

 

乞うご期待、おれ!

 

 

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すでに通勤状態。金沢〜白峰を週3回

 

 

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好タイムの余韻に浸るために立ち寄った日帰り温泉。「白山里」

スキーブログ 2016-2017 15th Run @セイモアスキー場(石川)コソ練&憧れのワンピ購入編

日にち:2月9日

場所:セイモアスキー場(石川)

天候:小雪&小雨

積雪:200cm

ゲレンデコンディション:並〜良

移動手段:フィット

所要時間:約60分

 

マスターズ第4戦を終えて、僕のスキー熱はさらに加速する。

 

よってコッソリ練習、略してコソ練のために平日の午前中、空いたゲレンデを狙って、小学生の時に一度しか行ったことのないセイモアスキー場へ行ってきた。

 

セイモアスキー場へは一度しか行ったことがなかったが、なぜかリフトの感じや雰囲気はしっかり記憶に残っていて、当時から変なスキー場だという感覚があった。約30年ぶりに訪れてもやはりその印象は変わっていなかった。セイモアは変なスキー場だ。

 

それはべつに悪い意味ではない。変なというか不思議なスキー場なのだ。そう思わせるのはきっと、一度クワッドリフトで中腹まで上がらなければメインゲレンデにたどり着けないというところだと思う。最後は中途半端な林間コースを通ってスキーを終えるはめになるのも、肩透かしな感じだ。そしてメインゲレンデの上には最大斜度38度の急斜面がそびえ立っていて、なんともつかみどころのないゲレンデ構成となっている。

 

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画面奥に見えるのは多分38度級の急斜面。雪崩起こる級。滑ろうという気にはついぞならなかった。

 

にしても、セイモアは金沢からのアクセスが大変よく、スノボパークも充実しているので、おそらく金沢人には人気のスキー場なのかもしれない。

 

この日も平日の午前だというのにそれなりの好き者が集まっていた。

 

この日の僕の課題はスキージャーナルという雑誌の特集にあった、「高速での深回りターン」と呼ばれるものを実践することだった。要するに高速急斜面固いバーンでもいかに速度を落とさずに切れのあるターンができるか?ということを僕はやりたかったわけで、午前中空いたスキー場をびゅんびゅんと飛ばしているうちになんとか形にすることができた。よってこの日のコソ練は大成功。よかったね、俺。

 

話変わって。

 

マスターズに参加していると、いかに秒数を縮めるか?ということがよく話題にのぼる。もちろんテクニックと経験が第一なのはわかっているが、次に話題にのぼるのが、レース用のワンピース、そしてワックスの選択だ。

 

達人たちが言うには、レースワンピを着ただけで風の抵抗が変わって、1から2秒は変わるということだ。眉唾だったけれど、ネットで調べていると、どうやらみんな同じことを言っている。とある知恵袋では「2秒を金で買う」とも表現されていて、そうか、レースワンピを購入するというのはある意味悪魔に魂を売るということなのだね、と僕は解釈した。最近僕は楽天市場のタナベスポーツのページにはまっていて、気づけばレースワンピのページを何度もスクロールし、はっと気づけばフェニックスのGS用ワンピをポチっていた!

 

 

 

 

 

そしてついにはこんなことになっていた!

 

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愛犬もびっくり、目を剥く始末!

 

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謎の生命体の出現に吠える愛犬!

 

嗚呼!憧れのレースワンピをついに手に入れた僕のテンションは本当にマックスだ!

小学生のとき同じレーシングチームにいたあのくそ速いM.Tくんが着ていたあのレースワンピだよ。中学生のとき同級生のくそ速いN.Yちゃんが着ていたあのレースワンピだよ。嗚呼、高校生になっても僕はついぞレースワンピを着ることはなく、数年遅れのださいスキーウェアでレースに参加していたのさ。

 

僕の両親は不相応なものは決して子供に買い与えないというお偉い主義を貫く頑なな精神の持ち主だったので、相応するテクを持たない僕には最低限のスキーギアしか与えてくれず、そんな僕はまわりのレーサーが次々と買い与えられている(もしくはスポンサーがついている!!)かっちょいいギアをヨダレを流しながら眺めていた。

 

M.T3兄弟のサロモン747が憧れだったのさ。OくんのロシニョールのRのロゴをいつも授業中に落書きしていた。Kくんのエラン、Iくんのフィッシャー!いつかは僕もアトミック!でも両親が僕に買い与えてくれたのはアルペンのやっすいハートだった。

 

ハートってなんなん!?

 

わかる人にはわかるトークを進めて参りましたが、とにかく僕はスキーブランドの持つ魔力に幼い頃から取り憑かれていて、大人になった僕はついに爆発してしまったわけでした。

 

さて、2秒を金で買った男の行方はいかに?

 

次回マスターズ第5戦は2月14日。

 

乞うご期待、おれ!!!