Date: 3月30日、31日、4月1日
場所:栂池高原スキー場
天候:ピーカン晴れ→濃霧&曇り→濃霧&曇り
気温:Hot →Cold → Cold
雪質: ザラメ→ザラメ→乾雪(ゲレンデ上部)
積雪:340cm(頂上付近、120cm(ゲレンデ下部)
移動手段:ジムニー
移動経路:金沢東ー糸魚川ー栂池高原
移動時間:3時間30分
3月5日のたいらスキー場でレース前に転んで、膝の骨を挫傷、膝の内側半月板を損傷してからもやはりスキーのことをずっと考えていた。
一度はキャンセルした栂池高原スキー場での独り合宿。毎年3月末は1年間の仕事の労を自分勝手にねぎらうために、どこかに出かけているのだけど、 今年はやはりどうしてもスキーに行きたかった。
栂池高原は小生のスキー人生の中でとくに思い入れのあるスキー場で、中学一年のときの家族スキーや、中学卒業直後に友達数人と行った3泊卒業記念スキーなど、印象に深い。平日早朝のゴンドラに乗って誰もいない朝一番のゲレンデを一気に駆け抜ける爽快感は、高校受験直後の解放感と重なって、それはもう最高の軽快感となり僕の記憶に爽やかに焼きついている。
あの快感をもう一度。
そんなわけであるから、多少痛くても、快方に向かっているのは確かだ。接骨院の院長先生には怒られそうだけど、僕はやはり行くことに決めたわけでありました。
そんなわけで、、、。
快晴の栂池高原スキー場!!やってきたよ、はるばる白馬まで!
ひょっほーい!ホテルにはこんもりと雪がある!このホテルはゲレンデ直結なのであります!!
ゆるいホテルで、朝8時に着いた僕にさっそくチェックインさせてくれた。
春の陽射しが差し込む部屋で僕はレースワンピに着替え、久々の戦闘モードへ突入。しかし、ホテルの乾燥室できついブーツに左足を通す時、ツンと痛む膝に不安を抱くおいら。果たしてうまく滑れるだろうか。
結果としてはまあなんとか滑れたって感じで、なかなか本調子というわけには行かず。
それでも昼前一度ゴンドラに乗って山頂から下まで降りてくることはできた。
昼に一度ホテルに戻って、ベランダの雪で冷やしておいたビールを飲む。うーん、最高。そして僕はしばし昼寝をした。うーん、最高。
スノーフリッジ。雪の冷蔵庫。定番。
昼寝から覚めた僕は、栂池に持ち込んだ翻訳の仕事にとりかかる。実はあるところから稚拙な僕ではありますが翻訳依頼があって、それがかなり大量で、仕上げはもうホテルでやるしかないってことで、僕は有名作家のごとくホテルに缶詰になってせっせと文化的な雪かき作業に没頭せざるをえなかったわけであります。
3時になって集中力も切れたあたりで、うずうず。これはもう行くしかない。
スキー!!
というわけで夕方も一時間半ほど滑って、ある課題にたどり着く。
俺、外足荷重ができていても、内足がまるで使えてないじゃん。内足がぐらぐら動いとるやんけ。ということにゆるい緩斜面を滑っているうちに気づいた。
課題は素敵。克服すべきことがあるって嬉しい。
部屋に戻った僕はYoutubeを見ながらまたプシュッとビールを飲む。Youtubeの内足に対する荷重についての動画をいくつか見て、これはいいなと思った練習法を記憶に留め、明日の朝、起きたら早速試してみよう。部屋で孤食を楽しんだあと、僕は早々に眠りについた。
そして次の朝、僕はあの中学卒業記念スキーの爽快感を再現すべく、朝一のゴンドラに並ぶ。順位は4位!4番目にゴンドラに乗り込んだ僕は、自分にこう突っ込んでいた。
「レースの順位は遅いのに、ゴンドラに並ぶのだけは早いんだね!」
自笑しつつ山頂にたどり着くが、視界が最悪。これは卒業記念スキーの再現どころではない。
一本コースを滑ってみたが、視界15メートルくらいか、まったく見えない。怖い。
それで僕は高度を少し下げて、下山を開始。急斜面で無理なターンをするとやはり膝が痛いので、どうしたもんかなあと迷いつつたどり着いたのは、くそでかい緩斜面で有名な「鐘の鳴る丘ゲレンデ」。
素敵なネーミングだ。僕はそのゲレンデ上部にあるリフトが気に入って、そこで昨日見つけた内足荷重克服法を試すことにした。
ゲレンデは誰もいない。貸切度100%!
うーん、最高!
試した練習法は、内足方向におへそを向けて滑るだけなんだけど、これが効く。
今まで谷側に内倒することに怯えていて、外足に頼りまくっていた。でもそれでは体の100%の能力の半分しか使っていないことになる。内足を使わない手はない。
ある程度スピードを出して内足に50%ほど荷重すると、ターンのねじれが強まりグリップが効く。体はかなり斜面に傾くが、これがあの理想とするGS選手たちのターンなんだなという実感がある。
スキーをやっているとこれはおそらく物理学なんだなと思うことがあるが、外に向かう遠心力とそれに対抗して斜面に向かって傾く体の重力が釣り合いを保つとき、最高のターンになっているのではないか。憶測ではあるが。
この最高の一瞬を求めて変態スキーヤーたちは日々淡々と虎視眈々、究極の滑りを狙っているのではなかろうか。
遠心力と重力のその真ん中。
僕はその真ん中目指して何百回とターンを繰り返す。うまく行く時もあれば下手くそなときもある。このうまく行く時の回数、頻度が上がるまでどうしてもやめられない。
そんなこんなでお昼前になった。僕はまたホテルまでスキーで戻って、カップラーメンを部屋で食べて、昼寝をする。そして起きたらまた翻訳だ。
翻訳は夕方まで続いた。しびれた足で立ち上がり、窓の外を見ると3月31日だというのに雪が降っている!!!
感動する小生。春なんてこなくていいぜ。
それでもやってくる春。それでもやってくる別れ。
しこたま部屋で独り飲みした僕は、明日はもう滑らずに帰ろうと決心して眠りについた。(膝がまあまあ痛かった)
しかし、3日目、起きてみると膝が痛くない。これはもうね、こうなりますね。
スキー!!!
というわけで3日目も懲りずに朝一ゴンドラに乗って山頂に向かったわけでありますが、この日も山頂付近は濃霧。しかたなく下山してくると、途中標高がやや下がったところからは濃霧が消えていて、しかも乾いた雪が積もった後の圧雪になっていたので、ゲレンデコンディションは最高!
爽快にゲレンデを駆け抜けている時の僕は、あの日の僕となんら変わりなかった。僕は少年だった。(自分で言うなよ)
今回の栂池スキー合宿で課題を見つけ課題に挑戦し、少しうまくいったので、これを今後に繋げていける。その連鎖の流れの中でもっとスキーが上手になるのだろう。まだまだ僕はスキーをやめられそうにない。
そんな気持ちで金沢に帰ってきた。
こんな僕の独り合宿を快諾してくれた奥さんよ、ありがとう!心から感謝しております。
それでは写真ダイジェスト!
栂池は広い、長い。適度な中斜面が続く!
淡い夕日に染まるゲレンデを散歩。これがしたかった。
素泊まりのホテル。部屋で独りご飯はジャンク祭りですぐに胃もたれ。
朝のゲレンデを散歩。霧のかかる山々が幻想的。(これもしたかった)
以上、懲りない男は異例の4月9日まで営業を決めた座禅スキー場たいらへ次回向かうわけでありました。
またね!