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スキーブログ 2016-2017 23rd Run たいら大回転@たいらスキー場 最終回編

日にち:3月5日

場所:たいらスキー場(富山県南砺市

大会名:たいら大回転

天候:晴れ

気温:3度

ゲレンデコンディション:ハード&ソフト

雪質:乾雪

レース結果:1:17:04秒(トップとの差約15秒)

      33走者中23位(男子中学生〜成年の部)

 

マスターズで培った経験を詰め込んで、春の訪れを感じる3月5日の早朝、僕はたいらスキー場へと向かった。昨日からやんわりと緊張していたが、当日その緊張は気温の低い朝のスキー場の雪面のように硬く引き締まっていた。

 

ギターの弾き語りライブを何度かやったことがあるけど、出演前はいつも、「どうしてこんなに緊張することを自分はあえてやるのだろうか、どうせなら逃げ出してしまいたい」と何度も思ったものだが、スキーの大会もまったく同じ気持ちになる。

「どうしてこんな硬い急斜面を人に見られながら滑る必要があるんだろうか?たいして上手くもないのに」

 

そんな自問を続けながらスキー場に向かっているときの景色が僕の緊張をしばし和らげてくれる。まるで春の日差しが硬い雪面を溶かすように。(この比喩もういいか)

 

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そしてたどり着いたよ、たいら大回転会場!

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想像したよりもすごいちゃんとしてる大会だ。いつものマスターズの草レースぽい雰囲気がまるでない。大会のパンフレットまでもらって、そこには僕の名前が印刷されている。

55  井上勉 石川県金沢市

 

ビブNo.55 おっしゃ、松井秀喜や!とくだらない験担ぎをしつつ、ウォームアップを開始。ゲレンデはすでに本日参加のレーサーがびゅんびゅん飛ばしながら体を温めている。それにしてもみんな上手やのお。小学生も中学生も地元の子供達はみんな速い。僕も負けじと。

 

これがよくなかった。

 

インスペクションを終え、かなりの急斜面にポールが立っているのを確認して、これは速度に慣れておいた方がいいなと思った僕は、開会式が始まる間際に一本急斜面のゲレンデをかなりの高速で滑り降りていき、そのままクローチングのスタイルで開会式のところまで行こうとした。

 

そのとき、なぜかバランスを崩した。そのとき、なぜか転んでしまった。ものすごい勢いで。そしてかなりの人がそれを見ていた。

 

そのとき左ひざを硬い雪面に強打して、「ああ痛い!」と思った。そのまま10メートルくらいくるくる回転しながら雪面を転がり落ちていった。

 

僕はいつものように「なんでもないっす」的な雰囲気を醸しながら立ち上がるが、なんかヒザが痛い。でもなんか痛いくらいだな。うん、大丈夫だ。そう自分に言い聞かせながら開会式に参加するが、ヒザが気になる。

 

開会式後、2本滑ってみてどうにかなりそうだったのでそのままスタート地点へ。

 

点呼があり、次々と選手がスタートしていく。僕は念入りにストレッチをし、たまにヒザに激痛が走るが、もうこうなったら出るしかないべ!!

 

ということであっさりと僕の出番が。最初の急斜面があまりに急すぎて、しかもアイスバーン。すごい下に落とされるのを踏ん張ったとき、またヒザに激痛が!

 

「ウォオオオオ!イテェエエエエ!」という顔をしながら滑っているときに、旗門員をしている人と目が合った。

 

激痛の急斜面が終わると、次の中斜面までをつなぐ緩斜面。僕は激痛から逃れられて一安心しつつクローチングを組み、泳ぐようにポールを通過。このあたりは雪も柔らかく、ターンもしやすかった。そのまま中斜面に入り、ゴールが視界に飛び込んでくる。最後はもう必死にターンして案外曲がり切れるので「おお、おお」と楽しみつつ残りの3旗門でクローチングして、ようやくフィニッシュを迎えることができた。

 

電光掲示板を見ると、1:17:04秒。速い選手はだいたい1:05秒前後なので、かなり遅いタイムだったけど、何よりも完走したことが偉い!しかも相手のほとんどは未来を背負った若者たちだ。僕は41歳の駆け出しひよっこレーサーだ。これでいいのだ。

 

後日、大会の結果をホームページで確認すると、33番中の23位。これだけでも嬉しいってもんだ。なぜって?

 

 

骨折してこの結果だからさ!(涙)

 

 

ということで、翌日病院に行き、MRIを撮ってもらった結果、ヒザに無数のヒビが入っていることが判明。ヒザの2箇所にヒビが入り、左ヒザ右側の半月板が真っ黒に映っているとのこと。翌日スポーツ外科を受診しろという指令を受け、松葉杖で帰ってきた。

 

これで俺のシーズンも終わったなあ。

 

と思ったけれど、あまり後悔の念はなかった。

 

今シーズン、無我夢中でスキーにのめり込み、実のところ理想の滑りがかなりできるようになった実感があった。もちろんポールに入ると全然ダメだけど、それはまた次の課題であり、今シーズンの目標はすでに達成できたように思えたので、これが今回の潮時なんだろう、僕は3月末に行く予定だった栂池高原スキー場のホテルの予約4泊5日をいさぎよくキャンセルした。

 

でも、、

 

僕は毎日のようにこのホテルのホームページを閲覧し、早朝ゴンドラに乗って誰もいないゲレンデを頂上から下までノンストップで滑り降りるイメージをし、キャンプ道具を持ち込んで挽いた豆でコーヒを淹れよう、ゲレンデに向かって椅子を出そう、夕焼けの中、ゲレンデをハイキングしよう、などど沢山の夢を見ていた。

 

その夢が一回転んだだけで水の泡のように消えていった。

 

スキーってなんだかすごいスポーツだと思う。怪我とつねに隣り合わせている。でもそのかわり、雪の上をすべる快感は何にも代えがたい価値がある。

 

だから骨折したくらいではやめられない。

 

今シーズンはもうこれで終わりだけど、また来シーズンからその先ずっとじいちゃんになるまでシーズンは続く。僕はずっとスキーをやっていきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

以上をもちまして、スキーブログ2016〜2017をいったん終了します。

読んでくれたみなさん、本当にありがとう。

 

また来シーズンもたくさんの雪が降りますように。

 

 

 

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あこがれのレースワンピを着て(3/3, 2017 @白峰アルペン競技場)