日: 12月10日
場所:栂池高原スキー場
天候:晴れ
雪質:低温、パウダー
今日は朝から妙だった。4時に目覚めて、岐阜のウイングヒルズに行くか、長野の栂池に行くか、この1週間ずっと悩んでいた迷いにまず答えを出さなくてはいけなかった。岐阜はアクセスが悪い。いつも奥さんが岐阜へ行く道がつまらないと文句を言っているせいで、なんだか洗脳されつつあったし、栂池はまだプレオープン的なので、山頂付近のリフト2基とゴンドラしか動いていない。
たっぷり滑るとしたら全面滑走可能になっているウイングヒルズかなあ・・・。でもアクセス悪いしなあ。
栂池は中間ゴンドラ駅までは滑走可能で4キロの滑走距離があると言っている。しかし、何度もゴンドラに乗るのは億劫だなあ。
気持ちは出発寸前までグラグラと揺れ、結局午前5時ちょうどに出発した僕のセクシーSUBARU、XVネズミ号(色がグレーなので)は、棒倒しの棒が向いた先に向かうみたいにして、よれよれと結局長野方面に向かったのだった。
順調に朝8時に栂池の第一駐車場にたどり着き、さっそく鼻息荒く準備をしてゴンドラの列に並ぶと、なにやら雰囲気がおかしい。とりあえずリュックから奥さんが作ってくれたサンドイッチを取り出し、それを頬張りながら聞き耳を立てていると、どうやらゴンドラの安全点検に時間がかかっていて、9時半にならないと動かないらしい。困り果てるスタッフに文句を言うデリカシーのない客や、ヘルメットをかぶったまま大慌てで隣の八方尾根に車で移動するせっかちスキーヤーなど、いろいろ見受けられたが、大半は栂池ラバーだったと思う。「え〜?」なんて言いながら、とりあえずゴンドラが動くのを待つ人や、ハイクアップでゲレンデを登り始める人、残念だったね〜と言いながら余裕の心で帰っていく人など、彼らは終始穏やかだった。
安全は第一なんだぜ。
というわけで、僕はスキー靴からトレッキングシューズに履き替えて、栂池のゲレンデ脇をてくてく散歩し、ゴンドラ中間駅まで登って、そこからさらにくだったりして、到来したばかりの雪景色を心ゆくまで楽しんだ。
こんな感じなんだぜ。
きれいなんだぜ。(斉藤和義風に)
ずっと好きだったんだぜ。(同じく)
誰もいなかったんだぜ。(もういいか)
はい。そして1時間散歩してゴンドラ駅に戻ってくると、立ち飲みバーがなぜか開店していて、そしたらもうこうなりますよね。「ゴンドラ動いてないし、天気いいし。よし。」
はい。
しかも、コハクビールというものを頼んだら、ちょうど樽切れして、最後の半端な残りビールをバーのお兄さんからプレゼントされたりなんかしたものだから、合計2杯分飲んだみたいなことになって、いい塩梅になってしまった僕は、車に戻って奥さんの作ってくれた唐揚げを一気食いした。そして胸焼け。そして車中泊の予備練習に、シートを工夫して横になったりしているうちに寝てしまった。
ウトウトしていると、放送が鳴り、ようやくゴンドラが動いたのは午前10時半。スキーを滑るにはかなり遅くなってしまったが、まあそれは仕方ない。僕は栂池ラバーであり、安全は第一なのだ。ゴンドラで事故があれば、栂池が困るのだ。僕も一緒に困るのだ。
さて、待った甲斐があったというもの。半分の客は帰ってしまったのか、ゲレンデは空いていた。そして何より、山頂駅から中間駅までのロングランがすさまじく気持ちよかった。4キロ一気にすべり降りるとほとんど呼吸困難に陥るくらい疲れる。足はパンパン。しかし、栂池の山頂から中間駅までの間には起伏に富んだ素晴らしいゲレンデが繰り返すように出現するものだから、僕はやっぱりこのスキー場が大好きであり、何度も滑りたくなってしまう。
そんなわけで、一度一気に下山して、ハアハア言いながら、板をSLのものからGSのものに履き替えて、もう一度ゴンドラで山頂へ。この頃にはもうゴンドラには列などなく、すぐに乗れる状態だった。
GSの板を試しながら、高速ターンで中間駅までくだり、最高!っとつぶやきながら、またゴンドラで山頂にあがる。その頃にはもう足の先が痛くなってきていたので、あと一回の下山で今日はコンプリートでいいかなあという気分に。ロングコースを滑る中で上達する部分と、次への課題が見つかったので、十分だった。シーズンはまだ始まったばかりなのだ。
明日からハードな1週間が始まることがわかっていたので、どうしても今日は最高の休日にしておきたかったわけだけど、思いがけず、最高だった。
明日からがんばります。
Ben