2018年
12/23 シャルマン 曇り、小雨
12/30 猫魔 小雪、吹雪
12/31 アルツ磐梯 小雪
2019年
1/2 アルツ磐梯 小雪、晴れ
1/3 猫魔 小雪、晴れ、雪
1/5 六日町八海山、雨、みぞれ、雪
1/6 シャルマン 雪
1/10 たいら くもり
1/13 たいら 晴れ
エキスパート・カービングを求めて、すでに13日滑走に突入。
スキー操作・動作・荷重にはスキルと斜面と雪質に合わせていろいろ応用すべき基本があることを指南するエキスパート向けの教則本を読んでしまったせいで、いよいよ僕の滑りは、大気圏に突入する帰還ロケットのごとく、エキスパート・レベル突入に向けて、メラメラと燃え上がっているのであります。
暖冬、少雪が叫ばれている中、各地のスキー場には全面滑走をかろうじて可能にする量の雪は確保され、僕もようやく落ち着いた心で各地のスキー場へと向かうことができるのでした。
各地のスキー場を訪れるのは、旅であり、冒険だ。
初めて福島の裏磐梯にある猫魔に向かった時に、改めてそう思った。
出発の早朝はいつも緊張する。暗い高速道路、不慣れな土地を突き進む。そして、昇る太陽が作り出す幻想的な景色に驚き、車中、ひとりで声を上げる。
12月30日
福島の裏磐梯、猫魔スキー場への道中はかなり冒険度が高かった。
まず、雪が多い圧雪路が延々と続く。車外温度計はつねに氷点下を指し、ウィンドーウォッシャーが切れて、不安になる。くねる峠道に次々と現れる秘境的観光スポットに目を奪われつつ、どんどんと標高が上がっていく。
ベースが標高1000メートルを越えているスキー場なので、それはもうほとんど天界に近い雰囲気を醸し出し、寒いやら雪質はいいやら、高速トリプルリフトは今シーズン動いてないやら、GSの板を試しに履いて、まったくターンができないやらで、いろんなことに翻弄されながら15時まで滑り、吹雪の中、帰り支度。凍る車。
ナビが指定した会津若松までの裏ルートのせいで、これまたやばい帰りの峠道。吹雪。車中、ひとりで悲鳴をあげながら、その日の宿へと向かった。
福島から昇る太陽。
標高1000メートル越えの猫魔スキー場。とにかく寒い。
日は出るものの、寒い。ここは本当のスキー好き、スノボ好きが集うところのようで、富山のたいらスキー場に雰囲気が似ている。みんな練習熱心。
そして会津若松のホテルへ。なぜかポスターがさかさま。
お一人様忘年会の場所を求めて見つけた、最高の居酒屋。
お店の女将さんに寒くて凍えていると伝えたところ、会津の郷土料理だという「こづゆ」を出してくれた。心から温まった。
雪にまぶされる野口英世。忍耐。
ブルースを感じる会津若松。女将さんが、次に来る時までこの店が続いているかわからないね、と言った。また行きますよ!!
12月31日
日付変わって、大晦日。昨日の猫魔があまりに遠く感じたので、共通リフト券で行ける姉妹スキー場、アルツ磐梯へ。
アルツ磐梯はなんと会津若松からたったの30分。会津や猪苗代の人たちは磐梯山のふもと、非常に多くのすぐれたスキー場のそばで暮らしているんだなあ。うらやましいなあ。
アルツ磐梯は横に広いスキー場。じつは僕は横に広いスキー場があまり得意ではない。やはりスキー場は縦に長い方がいい。そんな意味で長野の栂池とかの5kmロングランなどは最高。シャルマンも長いというか、長く感じさせる作りで、滑りごたえが大きい。
それでも景色は最高なアルツ磐梯。眼下に見える猪苗代湖、霧氷の林など、心落ち着く風景に数多く出会えた。
おしゃれなセンターハウス
霧氷エリア
猪苗代湖に向かって滑り降りる。そして、すり鉢状のアルツ磐梯。最後はリフト・ゴンドラ乗り場まで平坦なゲレンデとなり、スノーボーダーもスキーヤーもだらだらと歩かされるハメに。
1月1日
新潟の護国神社で初詣。その前に奥さんの地元の神社で引いたおみくじは大吉。奥さんも大吉だったので、大吉しか入っていなかったんじゃないか疑惑。
1月2日ー3日
奥さんと磐梯山スキー合宿 in アルツ磐梯&猫魔
事前学習していたので、案内人になったつもりで奥さんを連れて福島入り。行く前から「福島、ほんといいよ」と言っていたのだけど、奥さんも納得・満足の福島旅行となった。
夕日に染まる筆者 photo by 奥さん
アルツ磐梯のそばにある七ツ森ペンション村。今夜のお宿。
夕暮れの雪道散歩1
雪道散歩2
食後の星空観察 photo by 奥さん
2日目の猫魔。奥さんは初の座禅スノボを経験。結果、うまくなったみたいで何より!
標高1400メートル付近。空が近い。
GSエキスパート・ターンもままならないまま、ポールバーンに突撃。地元のジュニアが上手すぎて、へこんだ。しかも、このポールバーン、ずっと片斜面ですごく難しかった。体は凍えていたが、闘志に火がついた。メラメラ。
1月5日
火がついた筆者は、奥さんの実家からスキー場へ通う毎日。新潟っていろんなスキー場に繋がっているので、毎回どこに行くか精査するのが楽しい。この日は、エキスパートの穴場として名高い、六日町八海山スキー場へ初めて乗り込む。
山麓はあいにくの雨。それでも滑るのじゃ!究極のエキスパート・ターンを目指して。
新潟らしい、美しい景色。
ロープウェイ山頂駅の簡素な休憩所。
10分置きに出発するロープウェイをぐるぐる回して滑りまくるという稀有なスキー場。
午前中だけで10本ロープウェイに乗り、合計30キロ走破。午後も15時まで滑って、合計60キロ走破。これはもう頭が狂ってます。それでもエキスパート・ターンは得られず。悲しみの中、新潟の奥さんの実家に帰宅。
1月6日
冬休みの怒涛のスキー合宿を締めくくるべく、古巣のシャルマンの常設ポールに参加。この日は朝から激しく雪が降っていて、練習というよりも脚力を鍛えただけのように思えた。
あまりに不甲斐ない滑りばかりだったので、最後の1本のときに常設ポールのスタッフの方にアドバイスを伺う。そのアドバイスがあまりに的確で、最後の一本だけ、納得の滑りとなった。
思い残すことなく、猛ダッシュで帰り支度。実は、この日、シャルマンに行くために無理言って、奥さんには電車で新潟駅から糸魚川駅に来てもらい、そこで合流して車で金沢に帰る予定を組んでもらっていたのに、気づけば待ち合わせにギリギリ間に合う感じ。やばい、遅れたらもう快くスキーをさせてもらえない。
結果、待ち合わせ時間にぴったり到着。円滑なスキー人生が保たれた。
ん?俺の車が埋もれているのか?
豪雪のシャルマン。
重めの雪が降り積もる。
途中、魚津のインターで降りて、金太郎温泉に立ち寄る。
温泉に浸かりながら、ハードに続いたスキー遠征の反省と振り返りと瞑想を行い、完全フレッシュな状態で地元の金沢へカムバック。次の日からまた寒空の下で大根を抜く生活が始まるなんて信じられない!
1月10日、13日
ホームゲレンデ、たいらスキー場へ。
シーズン券を手に入れ、デフォルト状態でスキー練習に励むことができるように。
初日のたいらでは、ショートターンのSL板に戻して、外足を伸ばし、うち足を畳んで、ターン内側に腰を落とし、伸ばし荷重と内傾角を用いた、エキスパート・ターンにチャレンジ。
この日、気づいたのだけれど、天候に恵まれたスキーは、このたいらが久々であり、バーン・コンディションもじつはここ最近最高であり、たいらというスキー場のすごさに改めて気付かされた。
練習するには最適のスキー場で、この日、ようやくエキスパートなカービングをするための体の動かし方が理解できた。GS板に乗り換えて、同じように練習。GS板はやはりR27だけに素直に曲がってくれず苦戦したが、ある程度の感触を得た。
二日後、得た感触を完全に体に刷り込むためにまたたいらにやって来たけれど、この日は思ったほど成長できず。SL板はかなり体が使えるようになったけど、GS板では、高速でないと踏んでたわますことができない。低速、中速でも踏めるようになるにはどうしたらいいのか、ああでもない、こうでもないとやっているうちにリフト最終の午後5時に。
もう少し、あと少し。最高のターンスキルを手に入れて、試合に挑みたい。
嗚呼、たいら、嗚呼、たいらよ、嗚呼、たいら
言葉通り、暗くなるまで練習した。気分は部活に励む中学生。
つづく。