1月18日(金) たいら 雪
1月19日(土)ウイングヒルズ ナイター 月夜
以前、アメリカ人のマイケル(スノーボーダー)と、ゴンドラの長い列に並んでいるときに、僕が、「この長い列、いらいらするぜ」みたいなことを言ったら、マイケルは、涼しい顔して、「This is a part of skiing, right?」(これもスキーをすることの一部だよ)と言って、僕はひどく感銘を受けた。アメリカ人ってほんとに合理的な人たち。合理的なようで、かえって哲学的でもあったりするのだろうか。いや、毎日ヨガをやっているマイケルだから、禅的な物の考え方ができるのだろうか。
以来、僕は、スキーにまつわるエトセトラすべてを、「スキーをすることの一部」として捉えるようになった。
ワックスをかけるのも、雪道の高速道路も、ひどい渋滞も、暖冬も、雪不足も、つらい農作業も、すべては、「スキーをすることの一部」。
そんなわけで、僕はひとつの境地に至ったわけだった。
さて、金曜日は午前中にたいらスキー場に行って、GS板(R27)、曲がり辛いと思い込んでいた板で、ついに理想とするエキスパートなカービング・ターンができるようになった。
スポーツというものは、やりたいと願うあるテクニックがあって、それをできるようになるまで必死にがんばる、盲目的に取り憑かれる期間というものがあると思う。
僕の場合は、GS板でW杯の選手のように体を傾けて外足を伸ばして、うち足を折りたたんで、カービングでギュイーンと曲がることが憧れだったのだけど、ようやく!できるようになった。
体の傾きはまだ足りないけれど、ステージをひとつ上にあげることができた。
そして、ステージがひとつ上がったところで、ポールをくぐって練習しておきたいと思っていたところ、運良く見つけた、ウイングヒルズの「ポール・ナイターバーン」。
まだ実験的に始めたばかりの企画らしかったが、行ってみて大正解だった。
貸切のゲレンデ、引き締まったバーン、30旗門と多めの旗門セット。
30人くらいのレーサーたちが集まり、みな思い思いに個人練習に励んでいた。
そんな中、僕もようやくカービングで切りながらの旗門通過を実感。これは楽しい。まじで楽しい。
そして、見えてくる次の課題は、いかにより速く、タイムを短くしながらゴールに向かえるかということ。
勝手にエキスパートの仲間入りを果たした自分への課題は、さらに厳しさを増したのであった(冷笑)。
夜の6時から9時までみっちり滑って、その後はウイングヒルズの立体駐車場での車中泊。真冬の車中泊に多少びびりながらも、奥さんが用意してくれたホットな湯たんぽのおかげでかなり快適に眠れた。
翌日、早朝5時からのリフト乗車ができる週末のウイングヒルズには、多くの人がすでに集まっていて、僕も滑る予定だったけれど、雪がもさもさ降っていてい、体はひどく疲れていたので、8時まで車中で爆睡し、スキー場に向かう車列の大渋滞に逆らいながら、スキーを滑らずにすいすいと金沢に帰ってきた。
以上、エキスパート井上からのご報告でした。23日には石川県のマスターズの初戦があるけど、雪不足で中止の噂も。とりあえず、初戦までに準備はした。あとは戦うのみ!
写真ダイジェスト
ここまで条件のいいポール練習は初めて!合わせて20本くらい練習できた。最高!
貸切のポールバーン。
冷えた体でもビールは飲む。そしてお湯を沸かそうと思ったらライターがないという悲劇。タイガーの水筒に熱湯を入れて持参していたおかげで、大好物の赤いきつねをなんとか食べることができた。
たいらでのコソコソ練習。レストハウスの窓に映る斜面。蝿みたいに見えるスキーヤーたち。
エキスパートなターンを習得して、少し穏やかな気持ちになれたエキスパート井上がお送りいたしました。次回はレースの良い結果報告ができるようにがんばります。
ちゃお!