3月15日 ほおのき平 タイムレース 晴れのち小雪 ハード
タイムレース 40.79秒
クラス14人中11位
トップとの差6.00秒(ちなみにトップは国体6位の選手!!)
この暖冬少雪を鑑みて、今年のシーズンアウトはこのタイムレースと定めつつ、4月には横手山にスキーをしに行く予定なのだけど、それでも気持ちとしてはこの日がシーズン最後のレース。ひとまず雪山を去る。
レースの前日、妻とひどい喧嘩をした。そしてレース当日、浮かない気分のまま雪山に出かけ、受付を済ませ、浮かない気分のままウォーミングアップを兼ねたフリー滑走をし、浮かない気分のままインスペクション(コースの下見)をした。
リフト乗車中も気分は沈んだまま。昨日の喧嘩のフラッシュバックばかりが脳裏に蘇る。そしてそんなフラッシュバックの合間を抜けて、インスペクションで記憶したコースを思い出す。
「11旗門目のスルーのあと、要注意。上から巻いて突っ込め」
と心の中で確認したあとは、またため息。
妻の涙が津波となって僕の心をびしょびしょにする。
そんな濡れた心を重心としたままフリー滑走をする。心臓は左側にあるので(本当は中央にあるらしい)、左外足の右ターンがどうもうまく行かない。乾いた心ならもっとうまく行くはずなのに。重い心が重心の入りを邪魔してくる。
僕はまじめなので、こんな時でも携帯にメモを送る。
「左外足の膝の位置もっとうしろ。ストック軽く握って上体のリラックス。後半に向けて外足伸ばし続ける。以上!!」
そしてレースの自分の時間が近づいてくる。
ゴールを終えた選手のタイムを聞いていると、案外タイムが伸びていない。速い選手でも37秒から38秒くらい。あとは軒並み40秒以上。旗門は簡単に見えていたのに、先日のコースよりも時間がかかるのはどうしてだろうか。まあ、いいや。とにかく39秒台を目指そう。
そして本番。
タイムはさておき、僕はシーズンでまとめた滑りができることだけを心がけてレースに挑んだ。滑走中はしっかり板も踏めた。落とされることもなかった。自分の中ではいい滑りだった。
しかし目標の39秒台には惜しくも届かず、40.79秒という結果に。
あと0.79秒か。ゴールエリアで電光掲示板の自分のタイムを見つめながら、レースの難しさ、スキーの難しさを改めて思い知る。0.8秒って短いようでとても長い。
来シーズンはこの0.8秒を詰める特訓のシーズンとなりそうだ。1シーズンに0.8秒ずつ縮めていく世界。スキーはミクロの世界か。
さて、レースが終わってもフラッシュバックは続く。ご飯を食べ、目を閉じるだけの昼寝をした後はSLの板に履き替えて、今シーズンを通してやっとの思いで習得した体の動きを最終確認するフリー滑走に集中した。
帰り際、雪が降ってきた。雪はどんどん強くなっていった。岐阜と富山の県境では吹雪だった。暖かい冬が終わって降る雪だった。世界は混乱を極めている。僕はハンドルを握りながら、元の世界へと戻っていった。
晴天、氷点下の3月のレース。最高のコンディション。
僕は人より背が高く足がやたらに長いので、あまり体を傾けなくてもスキーが曲がるらしい。よって内傾角があまり出ない。これが僕の最大の悩みである。雪面すれすれのハングオンターンを早く決められるようになりたい。
ほおのき平よ、さようなら。最後にお世話になりました。落ち着いたとても素晴らしいスキー場です。来シーズンは高鷲をやめてこちらに通おうと思います。
そして、僕が今シーズン通ったすべてのスキー場に、その運営に携わるすべての人たちに感謝します。ありがとうございました。
これにていったんのシーズンアウトといたします。あとはおまけのスキーです。
少ないながらに毎回読んでくれているみなさんもありがとうございました!!
コロナに負けずにがんばっていきましょう。
2020年、3月16日
へっぽこレーサー改め、普通のレーサー Benより