4月1日 猫魔 小雪 極寒 バーン ハード
前回、前々回の試合で両方ともアイスバーンの急斜面を攻略できなかった反省を踏まえて、氷点下の福島は磐梯山の北斜面、猫魔スキー場へ3シーズンぶりに行ってきた。
なぜ、猫魔かというと地元のジュニアチームのポールトレーニングに無料で参加できるという太っ腹なコースがあることと、たいらスキー場と雰囲気が似ていて座禅的にスキーの練習に集中できるからだ。
この日は4月だというのに怒りたくなるくらい寒かった。アイスバーンの目的としては最高なのだけど、日も差さないは雪は舞ってるはで震えが止まらなかった。
猫魔のポールコースは急斜面でずっと左向きの片斜面が続き、ずりずり落ちていく感じ。うまく乗れないまま緩斜面につながるという意地悪な作りをしている。
よって何本滑っても攻略の仕方がわからなくて、余計に何本も滑るはめになった。
なんかよくわからん!もう1本!とやってるうちに、ジュニアチームの選手が怪我をしたらしく救急車がやってきて、コーチからの無線が漏れ聞こえてきた。
「病院に送っていくので練習を終了してくださーい!」
スタートゲートにいた別チームのコーチに福島訛りで「ラスト2ほん」と告げられた僕は、怪我をした選手に同情しつつも、「このまま終わってはどうやってアイスバーンを攻略すればいいのか答えが出ないまま終わってしまう・・・」と心の中でつぶやいた。
予定よりも少し早めに終了したトレーニングとなった。
とりあえず早めの昼ごはんを食べてそのあとフリーの練習をしようと思い、レストハウスのレストランで800円のカレーを食す。ただのカレーだったのかもしれないが、心の中で「こんなにおいしいカレーは食べたことがない!」と驚愕するほど美味しく感じられるカレーライスだった。
そして気温がまったくあがらない氷点下の猫魔のバーンに再登場。ポールが片付けられた斜面を何度も滑るが、何が正解かまったく見えない。アイスバーンってどうやって滑ればいいんだ!?
途中、アプローチを変えてみたり、ターン弧を大きくしたり小さくしたり、試行錯誤が続くが会心の滑りは一向に訪れない。このままでは終われない。しかし帰りの時間も近づいている。そんな焦燥の中、最後の一本を滑ってもう帰ろうと思ったとき、基礎の団体さんがやってきた。最近は基礎スキーも技術選も注目していてすごいなあと尊敬もしているのだが、団体さんはだいたいいつもゲレンデ中腹に列をなして、先頭の人が7、8ターンすると止まって下からポールを振る。そして次の人が滑り出す。この光景に出くわすと、僕はいつも戸惑ってしまう。次のあの人が滑ったら行こうかな、でもきっと今僕が行ったら、コーチ役の人が僕の滑りを見てみんなに「今のがダメなお手本ね、ほら内足が使えてないでしょ」なんて言って標本にされてしまうかもしれない。ああ、どうしよう!と思いながらそれでもスタートを切ってしまう憐れな自分。
至福のラストランは、彼らの目の前で大暴走と化し、僕はありえないくらいのスピードでアイスバーンを駆け下りて行った。
うう、なんだったんだ、今の滑りは・・・
得るものはあった。でも最後がしっちゃかめっちゃかになり、僕は大混乱の中、福島をあとにすることになるのであった。
新潟の妻の実家に戻り、ネットの検索窓に「アイスバーン 急斜面 スキー」と入れてみると、Yahooの知恵袋がトップヒット。当てにしないで覗いてみると、同じような悩みを持ったスキーヤーの相談があり、そこにプライズ級の人がアドバイスしているのを読んでみた。すると、
体はあまり傾けない。
外足を踏ん張りすぎない。
内足への荷重を少し増やす。
固いものを刃物で切るイメージで外足を少し前に出す。
と書いてある。
言われてみれば大暴走したとき、上記のすべて真逆をやっていたような気もする。
うまく滑れたときもあり、それはだいたい上記の動きをしたときだった気もする。
そうか、そういうことか。やっと腑に落ちたような気持ちになるが、見つかった答えは今度はいつどこで試せばいいのだ?もう春だ。アイスバーンの急斜面なんてそうそうお目にかかれないかもな。
スキーってスポーツは『一滑一魂』(勝手に作った言葉)である。僕の魂はいまださまよっている。
ということで次は延長営業の決定した地元たいらスキー場の早朝をハイクでねらってみます!!!
道の駅猪苗代からみた磐梯山。猫魔は裏までまわる。
4月の霧氷。さみー!
夏にも訪れてみたい絶景の裏磐梯。
急斜面には見えない急斜面。
なんか好きだな、猫魔スキー場。
それではまた!