雑記 7月28日 『健康第一』

その昔いっしょにバンドをやっていたベースのWくん、通称Nちゃん。ガタイがよく、酒をガバガバ飲み、タバコをスパスパ吸っていた。僕はそんなNちゃんを側で見ていて、頑丈にできた人間だと思っていた。僕なんか酒は好きだったけど、浴びるほどは飲めないし、タバコも吸っていたけど、吸うとだいたいオエっとなることが多かった。タバコはオエっとなるために吸っていることが馬鹿らしくなり、やめた。酒はなかなかやめられなかった。

 

体からのSOSが出にくい人がいるとしたら、Nちゃんなのではないだろうか。Nちゃんみたいな生活をずっと続けていたら、ぎりぎりまで頑丈そうに見えてある日とつぜんバタンと倒れてしまう。ほどほどと言われるラインを見出せないまま、限界を一歩でまたいでしまうような。Nちゃんとは連絡をとっていないので、どうなったのかは知らないけれど、どうか元気でいてほしい。

 

さて、僕もまた地味ながら体と精神にじわじわとダメージを与えていたんだということに気づいた。ある日突然、体が異変を伝えてきた。それは死を伴うイメージとして僕をとことん追い詰めることになった。死に至る病気ではまったくなかったが、それでもその症状をここで具体的に書きたくないくらい、僕はしんどかった。死にたくはなかった。

 

僕は今までの生活習慣を見直した。振り返ると確かにそれは自律神経を乱すしかない不安定な生活のように思えた。一見健康そうに見えて、案外中身はボロボロだったのかもしれない。

 

僕は生活を変えた。酒は一ミリも飲まなくなった。カフェインだって一滴も摂らない。体に必要と言われる栄養について気を配り、よく水を飲み、良質な眠りに気を配るようになった。そしてさらには、もしくはこれが一番大事なのかもしれないが、口呼吸をやめて、できるだけ安定した鼻呼吸をするように心がけるようになった。人は1日に2万回呼吸をしているらしい。その2万回を間違った方法で呼吸していては、そりゃあ体に悪影響があるにちがいない。振り返ってみれば口で息をしているのは当たり前で、まったく息をしてない時もあった。無意識に呼吸を止めていた。

 

病は案外、小さなことの積み重ねで発症するのではなかろうか。その乱れを見直すきっかけを与えるための病。取り返しのつかないことになる前に気づけてよかったように思う。健康こそがすべてではなかろうか。

 

Ben